「最近見えにくくなったから、度数が足りていないのかな？それなら強くすればいいはず」
そう思ってネット販売で度数を少し強く設定した眼鏡を購入したものの、全然改善しない…。
そんな困った状況でまどかにお越しになった男性のお客様がいらっしゃいました。
詳しく検査してみると、問題は度数の「強さ」ではなく、「乱視の未矯正」と「上下の視線のズレ」でした。「度数を上げれば見える」という思い込みが、かえって遠回りになってしまった実例を通して、見えにくさの本当の原因と、専門検査の大切さについてお話ししますね。
「度数を強くすれば見える」という思い込みから始まった失敗
なぜ男性はネット購入に至ったのか
今回のお客様は、40代の男性の方。数年前から少しずつ見えにくさを感じるようになり、こんな風に考えました。
「見えにくいということは、度数が足りないんだろう」 「眼科や眼鏡店に行くのは面倒だし、時間もない」 「ネットなら安くて早いし、度数を強くした眼鏡を買えばいいはず」
そこで、以前使っていた眼鏡より度数を強くしたものをネットで購入されました。
期待とは裏腹の結果
しかし、新しい眼鏡をかけても期待していた改善は得られませんでした。
- 確かに少し見えるようになった気はするが、スッキリしない
- 長時間かけていると頭痛や目の疲れがひどい
- 細かい文字を読むときに集中できない
- パソコン作業で以前より疲れやすくなった
「度数を上げたのになぜ？もっと強くした方がいいのかな？でも、これ以上強くするのは不安…」
そんな悩みを抱えてご相談にいらっしゃいました。
専門的な測定で判明！問題は「近視の度数」ではなく「乱視」と「隠れた視線のズレ」
精密測定で見つかった2つの根本原因
まどかで詳しい測定を行った結果、このお客様の見えにくさには2つの根本原因があることが判明しました。
1. 乱視の未矯正
「乱視」とは、方向によって見え方に差がある状態です。このお客様の場合、近視の度数は比較的軽度でしたが、未矯正の乱視がありました。
乱視があると、どんなに近視の度数を強くしても、文字や建物などの輪郭がぼやけて見えてしまいます。
2. 上下斜位による視線合わせの困難さ
さらに、「上下斜位」という、左右の目の視線が上下にずれるという隠れた問題も見つかりました。この状態では、両目で一つのものを見るために、目の筋肉が常に「頑張って」視線を合わせようとします。
この無意識の「頑張り」が、眼精疲労や集中力の低下を引き起こしていたんです。
なぜネット購入では解決できなかったのか？
ネット購入は便利なものですが、度数に関しては自己申告した度数になります。
つまり、度数設定に関しての是非はお店側では判断してくれないため、自己判断により設定した度数が思わぬ不調を招く可能性があるのです。
このお客様に必要だったのは「度数を強くすること」ではなく、「乱視を正しく矯正すること」と「上下のバランスを整えること」だったんですね。
適切な矯正で劇的改善！「こんなに違うなんて！」
乱視矯正とプリズムによる総合アプローチ
検査結果を基に、このお客様には以下の処方を行いました。
1. 正確な度数矯正
- 近視の度数：実は以前とほぼ同じ（強くする必要はなかった）
- 乱視の矯正：未矯正だった乱視をしっかりと補正
- 方向（軸度）の精密調整
2. 上下斜位の補正
- プリズムレンズによる上下の視線合わせをサポート
- 無理な筋肉の「頑張り」から解放
装用直後から実感できた変化
眼鏡を装用していただいたところ、その場で驚きの変化を実感していただけました。
- 「遠くの建物や看板がくっきり見える！」
- 「今まで『見えている』と思っていたのは、実は見えていなかったんですね」
- 「ずっと感じていた目の奥の重だるさが楽になりました」
- 「ネットで買った眼鏡とは全然違います…」
長年の見えにくさと疲労から、その場で解放された瞬間でした。
なぜネット購入では限界があるのか？専門店の価値
見えにくさの原因は「度数不足」だけではない
多くの方が「見えにくい＝度数不足」と思いがちですが、実際の原因は以下のようにさまざまです。
- 乱視の未矯正・矯正不足（今回の事例）
- 両眼視機能の問題（上下斜位、輻輳不全など）
- 調節力の低下（老眼の始まり）
- ドライアイや眼病
- 既存眼鏡の劣化（キズ、歪み、コーティング剥がれ）
これらは専門的な検査なしには判別できません。
まどかだからできる総合的なサポート
当店では以下のような専門的な対応を行っています。
- 乱視の度数・軸度の精密測定
- 両眼視機能（上下・左右の視線バランス）の測定
- 調節力・輻輳力の詳細分析
- 装用テストによる改善効果の確認
一方でネット販売ではお客さまの個性に応じた対応はできず、申告された通りの度数設定で作成することしかできません。
こんな症状があれば、自己判断せずにまずは測定を
以下のような症状がある場合は、「度数不足」と決めつけず、まず専門検査を受けることをお勧めします。
■見え方の問題
- 度数を上げても改善しない見えにくさ
- 文字の輪郭がぼやける、二重に見える
- 近視なのに近くも見づらい
- 片目では見えるが、両目だと見づらい
■疲労・不快感
- 眼鏡をかけても目が疲れやすい
- 集中力が続かない、頭痛がする
- 長時間の作業で肩こりがひどい
- 夕方になると特に見づらくなる
ただし、以下の場合は、まず眼科での精密検査をお勧めします。
- 急な視力低下や視野の変化
- 強い目の痛みや充血
- 日に日に症状が悪化している
よくある質問（FAQ）
Q1: ネット購入の眼鏡と専門店の眼鏡は何が違うのですか？
A1: ネット購入は申告された度数にのみ基づき作成されますが、専門店ではお客様に合わせた見え方の改善だけではなく、装用感まで総合的に最適化できます。
Q2: 乱視は自分で分からないものですか？
A2: 軽度の乱視の場合は自覚症状が少なく、「なんとなく見づらい」程度で見過ごされがちです。専門的な測定で初めて発見されることも珍しくありません。
Q3: 上下斜位とは何ですか？
A3: 目を閉じた状態などリラックスすると左右の目の視線が上下にずれる状態です。両目の視線を合わせて見るためには筋肉が常に頑張るため、眼精疲労の原因となります。
Q4: プリズムレンズは一般的なものですか？
A4: 両眼視機能に問題がある方には有効となる処方です。適量であれば違和感は極力少なく使用でき、疲労軽減効果が期待できます。
Q5: ネットで購入してしまった眼鏡はもう使えませんか？
A5: フレームの状態によってはレンズ交換することで再利用できる場合もあります。まずはご相談ください。
