眼鏡処まどかの小さな棚に、1冊の本を置いています。
田村知則さんの著書「眼が人を変える」です。
開業してからずっと手元に置いて、気づけば何度も読み返してきました。お客様とお話ししながらふと思い出して、閉店後にまたページを開く——そんなことを繰り返してきた本です。今回は、この本とまどかのつながりについて、少しだけお話しさせてください。
はじめてこの本を読んだとき
「眼が人を変える」田村知則 著
視覚情報センターを運営。眼の機能が体・姿勢・集中力・気持ちのあり方にまで波及することを、豊富な実践と知見をもとに解説した一冊。
田村さんは視覚情報センターを運営され、眼の機能と体・心の関わりを長年にわたって研究・実践されてきた方です。
はじめてこの本を読んだとき、「これだ」という感覚がありました。言葉にしたかったけれどうまく言えなかったことが、ここに書かれている。眼はたんに「見るための器官」ではなく、体全体のバランスや姿勢、気持ちのあり方にまで影響を与えるという視点は、まどかが大切にしてきたことと深いところで重なっていました。
それ以来、折に触れて読み返しています。読むたびに、「ああ、これが今日のあのお客様に起きていたことかもしれない」と気づくことがあります。
何度も読み返す理由
これはまどかの日々の仕事の中でも実感することです。両眼視機能検査を通じて、片目ずつの度数では見えてこない「両目の使い方のバランス」を確認すると、頭痛や肩こり、集中力の低下との関係が見えてくることがあります。
度数が合っているはずなのに疲れる。メガネをかけているほうが逆に疲れる気がする。学校の勉強が続かない——こういったご相談は、「眼の機能」という視点で見ると、少し違った景色になります。
田村さんの本は、そうした視点を深めるたびに戻りたくなる一冊です。自分の理解が浅かった部分に気づかせてくれるというか、読むタイミングによって受け取り方が変わる本というのは、そう多くありません。
田村さんは、私が「勝手に師匠」と思っている方のおひとり
私には、眼鏡の技術を直接教えてくださった師匠がいます。測定の基礎から、お客様との向き合い方まで、今の自分の土台となっているものは、その方から学んだことです。
ただ、眼鏡の世界は広くて深く、直接の師から学ぶだけでは到底追いつかない領域がたくさんあります。だから私は、書籍や論文、先達の実践を通じて、「勝手に師匠」と思いながら学ばせてもらっている方が何人かいます。田村さんは、そのおひとりです。
直接お会いしたことはなく、ご存知でもないと思います。でも、「眼が人を変える」を読むたびに、自分の仕事の見え方が少し変わる。そういう本と出会えたことは、本当に幸運だったと思っています。
視覚情報センターでの田村さんの実践は、まどかのような一眼鏡店が簡単に追いつけるものではありません。ただ、こうした方々の仕事から学び続けながら、八王子という場所で、目の前の一人ひとりに誠実に向き合う——それが今の自分にできることだと思っています。
「視覚情報センターに行ってみたいけれど、距離的に難しい」という方がいらっしゃれば、眼鏡処まどかにご相談ください。両眼視機能検査を含めた丁寧な測定で、できる限り力になりたいと思っています。
八王子の眼鏡処まどかでは、予約優先制で一人ひとりの見え方に向き合っています。「相談だけでも」「今の眼鏡を見てほしい」という方もお気軽にどうぞ。

