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眼鏡処まどかです。

先日いらしたS様は手元が見づらくなってきたということでご来店されました。

現在使っている手元用のメガネの度数を調べてみると右目は度が全く入っていない状態でした。

少し気になったのでS様にお話しを伺うと「右目は乱視が強すぎて下手に度を入れるとかけられないから度を入れるのはあきらめましょう、と前の眼鏡屋さんに言われて度を入れていないんです。」とのこと。

確かに検査をしたところ右目の乱視の度数がかなり強めで、試しにしっかりと矯正すると右目だけ歪みがとても強くなってしまい、慣れることができそうもないほどの違和感があるとのことでした。

右目だけ度無しの状態で長期間過ごしてきていたので、両目が協力して働くか不安だったのですが、幸いにもなんとか両眼視はできる状態。

そこで、以下の2つのどちらの方針でいくか S様と話し合いました。

  1. このまま度無しでよく見えない状態が続くと右目が抑制(情報を脳が遮断してしまう)されてしまう可能性がある。段階的に右目の度数を強くしていって慣れていくようにする。
    ただし、これまで度無しで長期間過ごしているため慣れるまでに時間もかかる。慣れるまでの違和感にも耐えなければいけない。
  2. 装用感の良さを重視し、これまで通り右目は度無しのままにする。慣れるまでのストレスはほぼ無くすぐに長時間かけられるようになる。ただし、このままの状態が続くと右目が抑制されてしまう可能性がある。

それぞれのメリット・デメリットをお話ししましたが、お仕事が大変忙しい状況で今は余計なストレスはできるだけ避けたいとのことで、今回は2番目の方針で処方することになりました。

目的距離に合わせて度数を調整したうえで、斜位(普段は気づかない視線のずれ )や眼球運動のコントロールレベルを考慮してプリズム(斜位を矯正する度数)を加えると楽に見えるようになったとおっしゃって頂けました。

これまでよりも快適な視界をご提供できた点はとても嬉しく思うのですが、
右目をどうすることもできなったのが非常に悔しく思います。

過去には戻れませんし、どうにもできないことはよく分かっているのですが、もっと早い段階で少しずつ慣らしていくことができていれば。。。

そう考えてしまいますが、変えることのできる未来に向かって僕には僕にできることを精一杯やっていきたいと思います。

S様、頑張ってお作りするのでお待ちくださいね!

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