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眼鏡処まどかです。

当店では初めての遠近両用メガネをお求めになるお客様が多いのですが、検査に入る前の問診では「遠近って使いにくいんでしょ?」なんて言葉をよく耳にします。

一昔前は確かに使う人を選ぶ製品ではありましたが、今では技術も発達し製品も洗練されたものになっていますので、ポイントだけ押さえておけば多くの方にとって便利なものになります。

そこで今日は初めての遠近両用のメガネを作るうえで知っておくとよいポイントをご説明したいと思います!!

早速ですが、結論から言うとポイントは以下の3つです。

  • フレームは鼻パッドの付いたものを選ぶ
  • レンズの縦幅は広めのもの(32mm~34mmが目安)を選ぶ
  • 遠く用の度数と近く用の度数の差はできるだけ小さくする

他にも色々とありますが、これらのポイントを押させておくだけでだいぶ使いやすさが変わってきますよー。

ここからはもう少し深堀していきますね。

1.フレームは鼻パッドの付いたものを選ぶ

累進レンズと言われる遠近両用レンズは上部に遠く用の度数、下部には近く用の度数が組み込まれています。(上部から下にいくにつれ少しずつ度数が変わっていきます)

そして、遠く用の度数の少し下のあたりにアイポイントと言われる箇所があるのですが、快適に使うためにそのアイポイントと黒目の位置とを正確に合わせる必要があります。

出典:東海光学お客様相談室

鼻パッド付きのフレームだとそのための位置調整が行えるのでおすすめというわけなのです!

プラスチックフレームによくあるのですが、鼻パッドがフレームと一体化しているものだと高さの調整が行えません。
そうなってしまうとレンズの性能を十分引き出すことができない場合が出てきてしまうためご注意ください。

2.レンズの縦幅は広めのもの(32mm~34mmが目安)を選ぶ

上述の通り遠く用の上部から近く用の下部まで度数が変化していくのですが、その距離を累進帯長といいます。

この累進帯長が長いほど度数の変化が緩やかになりゆがみも強く出ないため、初めての方にとっては使いやすい眼鏡となりますよ。※ご年齢によっては累進帯長が短いものの方が使いやすくなる場合があります。

累進帯長を長めにとるためにもある程度のレンズの縦幅が必要になるのですが、そのおすすめの縦幅の目安が32mm~34mmとなるのです!

3.遠く用の度数と近く用の度数の差はできるだけ小さくする

累進レンズと呼ばれる遠近両用やその仲間(中近両用・近近両用)は一枚のレンズに様々な度数を組み込んでいるため、レンズの両端に少しぼやっとする領域(上図のゆれ・ゆがみと記載された箇所です。これを収差領域といいます)というものが構造上どうしても発生してしまいます。

そのため、単焦点レンズ(一つの度数が組み込まれたレンズ)の見え方に慣れてている方にとっては左右の端のぼやけが違和感となり、慣れるまでに多少時間がかかる場合があります。(ここはかなり個人差があり、かけてそのまま歩いて帰ることができる方もいれば、数週間じっくり時間をかけての慣らしが必要な方もいらっしゃいます)

この両端のぼやけは遠く用と近く用の度数の差(加入度といいます)が大きくなるほどその範囲が広くなっていきます。

例えば、遠くは夜でもばっちり見えるほどに視力を出し、近くは40センチの距離で本を読めるぐらいにしたい!なんてご要望があったとします。

そのご要望通りに作ると多くの場合は度数差がとても大きなものになり、

「確かに遠くも近くもピントは合う!けど、見える範囲は狭いし、ゆがみやゆれが怖くて使えたもんじゃないぞー!!」

となってしまうのです。。。

遠近が使いづらくて慣れないとおっしゃる方はこのパターンに当てはまっていることが経験上多いです。※もちろんフィッティングなど他の問題が原因であることもあります

そうならないためにも、当店では本当に必要な加入度はどのぐらいなのかをお客様の生活環境などをお聞きしながら、一緒に決めていくようにしておりますのでご安心くださいね。

まとめ

もう一度ポイントをおさらいすると以下の通りになります。

  • フレームは鼻パッドの付いたものを選ぶ
  • レンズの縦幅は広めのもの(32mm~34mmが目安)を選ぶ
  • 遠く用の度数と近く用の度数の差はできるだけ小さくする

遠近両用メガネはこれらのポイントを押さえてさえいれば、あなたの生活に欠かせない心強いパートナーときっとなるでしょう。

一度遠近を作ったけれど使いこなせなかったという方もこの記事を参考にしてみてくださいね!

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