『遠近なんて止めた方がいいよ』
『気持ち悪くて、とてもじゃないけどかけることができなかった…』
遠近を検討している際に、お友達の方などからこんな話を聞いたことが一度や二度あるかもしれませんね。
こんな話を聞いてしまうと遠近を使うことに不安を覚えてしまいますが、実際のところはこれらのお話は半分正解で半分間違いとなります。
まずは、遠近とはそもそも何なのかというお話をしておきたいと思います。
上記は弊店でも取り扱っている東海光学さまのHPから引用したものですが、遠近は1枚のレンズの中にさまざまな度数が入っています。
具体的には、レンズの上部には遠方用の度数、下部には近方用の度数が組み込まれており、上部から下部にかけて徐々に度数が変わっていく構造です。
これを累進と呼びます。(そのため、遠近のレンズは累進レンズとも呼ばれます)
このようにさまざまな度数を1枚のレンズの中に入れている関係上、レンズの端っこの方には収差領域と言われる「ゆれ・ゆがみ」がどうしても発生してしまうのがデメリット。
これが遠近の慣れにくさ(怖い、気持ち悪いなど)の正体です。
『だったらやっぱり遠近なんて使えないじゃないか…』と思いますよね。
実は、この「ゆれ・ゆがみ」には以下の特徴があり、1番目の特徴をよく踏まえて度数設定をすれば快適に遠近を使いこなすことが出来るようになるのです。
- 遠方の度数と近方の度数の差(簡単に言えば老眼の度数です)が大きければ大きいほどに、領域が大きくなる
- レンズのグレードを上げるほどに、領域が小さくなる
逆に言うと、1番目の特徴をないがしろにしてしまうと、いわゆる「かけると気持ち悪くなる眼鏡」に近づいてしまいます。
使いやすい遠近にするためには、ここのさじ加減がとっても重要なんです。
当店の基本方針はお客様のご要望や目の状態を考慮したうえで、まずは遠方の度数と近方の度数の差を可能な限り小さくします。(例えば、遠くの度数は歩くのに困らない程度に弱くする、などなど)
そのうえで装用テストを充分にしますが、それでもやっぱり「ゆれ・ゆがみ」が気になる…といった場合に初めてグレードを上げることを提案しております。
考え無しにグレードの高いレンズをおすすめするということはありませんので、安心してご相談くださいね!