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両目を開いた状態で過ごしていても実は片目の映像しか頭に入ってきていない、そんな状態があることをご存知でしょうか。

人間の目は以下の3つの段階を経て立体感を感じています。

  1. 同時視(左右の目で同時に対象物を捉える)
  2. 融像(左右の目から入ってきた微妙に異なる映像を重ね合わせる)
  3. 立体視(重ね合わさった映像から対象物の距離感を把握する)

1番目の段階で左右の目から入力された情報(物の鮮明度や形・大きさなど)が大きく異なると、2番目の融像が難しくなることから脳は自動的にどちらかの映像を遮断してしまいます。

その結果、2番以降の処理がスキップされるため立体感や距離感が大きく損なわれることになってしまうのですが、この状態を抑制と言います。

先日いらしたT様は長期に渡りこの抑制状態が続いていたため、両目で物を見る機能が衰えてしまい抑制状態が固定化されてしまっておりました。

もっと早くT様とお会いできていれば、力になれたかもしれないと悔しい思いでいっぱいです。

抑制は無意識に行っており、普段の生活ではなかなか気付く事が難しいと言えます。

特に年齢が低いお子さんは自分の言葉で伝えることが難しく、その状態を普通のことだと思っている場合もあるため、大人がしっかりと意識的にケアをしてあげる必要があります。

簡単なチェック方法としては下記のようなものがありますので、試してみてください。

  1. 両手にペンを持ちます
  2. 左手のペンを眼前の15センチほどのところに置きます
  3. 右手のペンを目一杯伸ばして場所に置きます
  4. 左手のペン先に視線を合わせます
  5. その状態で奥にある右手のペンが何本に見えているかを確認します

5の時点で右手のペンが2本に見えていれば両目で対象物を捉えられていますが、もしもそうでない場合は両目が上手く連動しておらず、片目の情報しか脳に届いていない状態(抑制)になっています。

抑制は早期の対策が重要となりますので、気になることがありましたらお気軽にご相談くださいね!

 

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