夜の運転中、「対向車のライトがギラッとして目がくらむ…」「雨の日の夜道は、車線がどこにあるか分からなくて怖い」なんて経験ありませんか?昼間は問題なく運転できるのに、夜になると急に見えにくくなる…。実はそれ、「気のせい」や「年のせい」だけではないかもしれません。

夜間の見えにくさには様々な理由があり、眼鏡で改善できるものもあれば、医学的なケアが必要なものもあります。今回は、夜の運転を快適にするための知識と対策について、詳しくお話ししますね。

なぜ?夜になると見えにくくなる理由は人それぞれ

暗い場所で起こる「夜間近視」

夜になると、私たちの目の瞳孔はより多くの光を取り込もうとして大きく開きます。実はこのとき、目のピントが少し「近視寄り」にズレてしまうことがあるんです。これを「夜間近視」と呼びます。

だから、「昼間はちょうど良い度数の眼鏡なのに、夜になると何となく物足りない…」と感じるのは、この夜間近視が原因かもしれません。特に、もともと近視や乱視がある方は、この影響を感じやすいと言われています。

対向車のライトが「ギラッ」と眩しく感じる原因

対向車のライトが特に「ギラッ」と眩しく感じる原因は、実は人それぞれ違います。

眼鏡で改善できる可能性がある原因

  • 乱視の未矯正・矯正不足: 光が散乱してにじんだり、線状に伸びて見える
  • 度数の不適合: 夜間近視による見え方の変化
  • レンズの汚れや設計: 光の散乱が増加する

医学的なケアが必要な原因 

  • 白内障: 水晶体の混濁でライトが拡散し、ハローやグレアを感じやすい
  • ドライアイ: 涙の膜が不安定になり、光がにじむ・チラつく
  • 角膜炎・ぶどう膜炎: 痛みや充血、強い羞明感を伴うことも

「自分は乱視じゃないはずだけど…」と思う方も、実はごく弱い乱視が隠れていることがありますし、逆に眼鏡では解決できない原因が潜んでいる可能性もあるんです。

眼鏡でできる夜間運転サポート

光の散乱を抑える、正確な度数合わせ

眼鏡で改善できる範囲では、正確な度数合わせが何より重要です。特に乱視がある場合、わずかな矯正不足でも夜間の光の散乱に大きく影響します。

さらに、レンズの設計も大切です。歪みの少ない「非球面レンズ」や、一人ひとりの目の特性に合わせてオーダーメイドする「両面非球面レンズ」などは、レンズ周辺部の光の散乱も抑えてくれるため、よりクリアで快適な視界が得られます。

「度数をしっかり合わせ直したら、夜の運転が楽になった」 そうおっしゃるお客様も多いのですが、すべての方に当てはまるわけではありません。眼鏡で改善しない場合は、他の原因を疑う必要があります。

コントラストを保つ、適切なコーティング選び

夜間の運転で重要なのが「コントラスト」、つまり明暗の差をはっきりさせることです。無駄な反射を抑える高性能な反射防止コーティングは、視界を暗くすることなくコントラストを保ってくれます。

単純に色付きレンズで暗くしてしまうと見落としのリスクが増えるため、夜間は基本的に無色透明で高性能なコーティングや夜間使用のために設計された特別なカラーレンズをおすすめします。信号機の色なども自然に見えるので、安全に運転できますよ。

眼鏡処まどかだからできる、総合的な夜間運転サポート

眼鏡でできること、できないことを見極めます

当店では、通常の視力検査に加えて、必要に応じて夜間の見え方についても詳しくお話を伺います。その中で、眼鏡での改善が期待できるか、それとも他の専門的なケアが必要かを慎重に判断します。

例えば、「最近急に眩しさが増した」「目の乾きも気になる」「充血しやすくなった」といった症状がある場合は、眼科での詳しい検査をお勧めすることもあります。お客様の安全を最優先に、適切な判断を心がけています。

眼鏡での対応が有効な場合の丁寧なサポート

眼鏡での改善が期待できる場合は、夜間近視の可能性も考慮し、お客様の目の状態を総合的に判断して、最適な度数を一緒に探っていきます。

フレーム選びやフィッティングも重要です。夜間の運転では広い視野を確保し、レンズの性能が最大限に発揮されるよう、細部まで丁寧に調整いたします。

こんなサインがあれば、まずはご相談ください

もし、こんな風に感じることが増えてきたら、まずは専門家にご相談ください。

  • 対向車のヘッドライトが以前より眩しく感じる
  • 雨の日の夜、車線や道路の端が見えにくい
  • 街灯や信号の光がにじんで見える、線が伸びて見える
  • 夜になると、昼間より標識の文字が読みにくい
  • トンネルの出入りで目がくらみやすい

眼鏡での改善が期待できる場合もあれば、医学的なケアが必要な場合もあります。まずは原因を正しく把握することが大切です。「もう若くないから仕方ないか…」なんて諦めず、適切な対策で夜の運転を安全・快適にしていきましょう。