特に見え方に困ってはいないけれど、新しいフレームが欲しくなるときもありますよね。
そんなとき、使用中の眼鏡と同じ度数で作成してもらうことになると思います。
同じ度数なのでもちろんお客様としては同じ見え方を期待しますが、いざ受け取ったものをかけてみると…
『何か見え方が違う…??何故だろう…??』
こんな風に感じたことはありませんか。
実は眼鏡の見え方を決めるのは度数だけではないのです。
一般の方には馴染みがないかとは思いますが、下記に挙げたようなさまざまな要素が影響しているんですね。
- そり角(フレームを上から見た時のカーブ)
- 前傾角(フレームを横から見た時のレンズの傾き)
- 頂間距離(レンズと目の間の距離)
それぞれについてもう少し詳しく見ていきましょう。
そり角
下図のようにフレームを上から見た時のレンズのカーブを指します。
光学的には視線とレンズが直角に交わるのが理想的とされています。
しかし、これにこだわり過ぎると美観を損ねてしまう(手元用の眼鏡の場合は目が内側による関係で、逆ハの字のような状態になってしまう)場合があるため、現実的にはカーブ無し、もしくは多少のカーブがついていることが多いです。
この視線とレンズが交わる角度が変わることで収差(不要な乱視と思ってもらえればOKです)が発生し、見え方に影響を与えます。
たとえばそり角が割と平ら(0度)に近いフレームから、そり角の強いスポーツ系のフレームに変えると同じ度数でもだいぶ見え方が変わってしまいます。
前傾角
下図のようにフレームを横から見た時のレンズの傾きを指します。
こちらもそり角と同様に視線とレンズが直角に交わるのが理想的とされています。
大まかではありますが、下記のように分類し、プレフィッティング(レンズを加工する前のフィッティング)で合わせていきます。
- 遠く用、常用:5~10°程度(自然な状態ではやや視線を下げてものを見ているため、近く用でなくてもある程度の傾斜が必要となります)
- 近く用:15°程度
特に遠近両用などの累進レンズでは見え方に大きな影響を与えるため重要な要素となります。
頂間距離
下図のようにレンズと目の間の距離を指します。
頂間距離は12mmが基本とされていますが、これはあくまで目安であるため、状況に応じて多少前後します。
この距離によって、同じ度数のレンズでもその矯正効果が以下のように変わります。
近視のレンズの場合
- 距離が遠くなるほど矯正効果は弱くなる
- 距離が近くなるほど矯正効果は強くなる
遠視のレンズの場合
- 距離が遠くなるほど矯正効果は強くなる
- 距離が近くなるほど矯正効果は弱くなる
セルフレームは鼻パッド(鼻あて)がフレームと一体になっていることが多く、その場合は頂間距離が短めになります。
フレーム選びも大事
フィッティングによってこれらの要素について調整をしていくのですが、フレームによってはデザイン上の制約により調整が行えないものがあります。
当店では、フレーム選びをする際は『かけるのが楽しみになるようなフレームを選ぶ』が基本だと思っています。
どれだけ見え方が良くてもあまりに好みに合わないデザインだとタンスの肥やしになってしまいかねません。。。
ただ、上記で上げた3つの項目はいずれも度数が強い人ほど影響も大きいため、そういった方はフィッティングがしやすいかどうかも含めて店員さんに確認しながら、フレームを決めていくのがおすすめです!!